座長の言葉
心房中隔欠損症のカテーテル閉鎖術はストラクチャーインターベンションの中でも基本手技の一つとなってきた。
従来のカテーテル治療はX線透視画像を主体とする画像情報で実施されてきたが、心房中隔欠損症のカテーテル閉鎖術の導入によりカテーテル手技中の経食道心エコーの重要性が確立された。
特に周囲縁欠損例、多発性欠損例のようなカテーテル治療難易度の高い症例では欠損孔の形態評価が安全・確実な治療に直結する要因となる。
現在、この手技にはAmplatzer Septal OccluderとOcclutech Figulla Flex IIの2つの閉鎖栓が使用可能であり、それぞれの閉鎖栓の特徴を理解し治療に取り組む必要がある。
また奇異性脳梗塞再発予防を目的とした卵円孔閉鎖術も近い将来に国内導入が期待されており、脳卒中部門と共同して卵円孔開存の診断や治療適応を総合的に評価する体制つくりが急務である。