座長の言葉
The Forgotten Valve(忘れられし弁)などと以前はよく形容されていた三尖弁。
臨床上、三尖弁閉鎖不全症(TR)はよく遭遇するものの、TRの単独外科手術の成績は芳しくなく、カテーテル治療も存在しなかったため、利尿剤で騙し騙し治療して見て見ぬふりをしていたのかもしれない。
かくいう自分も二年前までのプレゼンではそう表現していた。
だが、時代は急速に変わってきた。
カテーテルを使用してKay法(二尖弁化)を行うTrialignTMを用いたSCOUT試験では、症状を有する中等度以上の機能性TRに対してこの新規カテーテルデバイスが安全で有効な治療であることが示された。
ただし、どういう患者を治療ターゲットするにするべきか?
どの治療デバイスを選択すればよいか?
治療をナビゲートする最適なイメージングは?などまだまだわからないことばかりである。
本セッションでは、三尖弁、TRの基礎から現状での外科的アプローチやそれに関わる諸問題、さらには、カテーテルインターベンションまで、アツく議論していきたい。